一杯のご飯

日本の昔の上流階級の献立だけをみると意外と質素だったりします。まあ、日本って世界的に珍しくお金=力ではありませんでしたから。もちろん例外はありますが、周りも認める正統な君主――日本の場合は天皇が儀式の際に服を新調するのに苦労するのが当たり前というのは特筆すべきでしょう。海外の日本史研究者は頭をかかえているのではないでしょうか。フランス革命前夜の異常事態として皇太子が死んだ時、銀器を売ってお葬式をしないといけない程王家が貧乏だったというエピソードがありますが、戦国時代の天皇家なんてお金がなくて即位式ができなかったくらいです。その上、皇后がいなかったのも、一因として立后するお金がないからといわれていますね。*1織田信長豊臣秀吉かがお金を出して久しぶりに皇后が実現したいたような気が…。(うろ覚えなので自信がありません。)
そんなわけで実際に質素な食生活だったりするのですが、それも考えようによってはものすごい贅沢なご飯だったりします。江戸時代の大名クラスなんて家臣がお米を一粒ずつ調べて、傷一つなく大きさも揃えてあったのですから。今これをすると人件費でとんでもない値段になるでしょうね。そういえば中国の満漢全席を作るのを見たとき、プロだから素早く切るだろうと思っていたのに、大きさを揃えるため素人よりもゆっくりじゃないかというぐらいのスピードで切っていて、一瞬この人お料理下手と思ってしまったことがあります。

*1:あくまで正妻にあたる皇后の話で女御等々はちゃんといました。