わが道を行く

イングランドエドワード3世の時代に反逆罪で叔父が処刑される事件がありました。これは冤罪といわれています。
権力者の近親者が言いがかりをつけられて殺されるのはよくあることなのですが、この事件には特別なところがあります。
エドワード3世はクーデターによって父親のエドワード2世を無理やり譲位させて王になりました。但し、クーデターを起こしたのは母親のイザベル妃で当時15歳だったエドワード3世は傀儡だったといわれています。実際にエドワード3世の即位後もイザベルが摂政として実権を握り叔父の処刑を決めたのもイザベルです。
で、叔父の罪状は「エドワード3世を退けて、退位したエドワード2世を復位させようとした」です。
この反逆罪は「1330年」、エドワード2世はクーデター直後の「1327年」に死んでいます。(イザベルによって暗殺されたそうです。)どっからどう見ても言い訳の仕様がないほど見事な冤罪です。さすがにこれは世界的に例がないごり押しっぷりです。
イザベルすごい。ここまでくるとむしろ清清しいですね。何かすごく女性らしい人ですね。
――その後、叔父*1を冤罪で殺されて蔑ろにされていることを実感したエドワード3世の反撃によりイザベルは失脚して幽閉されて一生を送ります。

*1:この叔父はエドワード3世と年が近かったため兄弟のように育って仲がよかったそうです。