生きてるだけでもうけもの

マイナーなエドワード2世。イギリスでは有名なジョン失地王以上に暗愚と評価されています。マイナーですけど、初めてイングランド皇太子とプリンス・オブ・ウェールズを兼任した人物です。(逆に言うとこの時代にウェールズイングランドに吸収合併されました。)後、生前退位したイギリスでは珍しい王様です。
両親のエドワード1世とエリナーは16人の子どもに恵まれまして、なんとエドワード2世は5男で末っ子です。不幸にも4人の王子は幼くして死亡してしまいました。そういうわけで長男とは20くらい年が違います。この夫婦は仲良かったそうですけど半分以上の子どもが成人できなかったとか…。エドワード2世はエリナーが40過ぎての子どもで、もうどういう育てられ方をしたか想像がつくような…。(記録には残っていませんけど)両親を筆頭にとにかく生き残って成人して王位を継ぐことが最優先で帝王学どころじゃないですね。そりゃあ暗愚になりますわ。遊び友達だけが悪いわけじゃないでしょう。
しかも、エリナーが先立ってしまったためにエドワード1世が再婚して後妻との間に健康な王子が2人も生まれたために複雑な家庭になってしまいました。15歳くらいになってからスペアが誕生して有能さが求められるって、もう手遅れで本人は辛いだけ感が満載です。
まあ、当初の期待には応えて、ちゃんと成人して即位したし(寵臣贔屓政治で貴族が何度もキレてるけど)、跡を継ぐ王子も生まれたし(妻にまで愛想つかされてクーデターで強制的に王位を譲らされたけど)、なんと!43歳まで生きたんですよ(暗殺されなかったらもっと長生きしていたはず)。