いつモノ食う人々

日本が地震原発でいっぱいいっぱいな今、コートジボワールが戦争状態でカカオが値上がりする事態になっているそうです。コートジボワールがカカオの産地であることすら知りませんでした。
以前アフリカが貧乏な理由として、先進国の嗜好品――ダイヤのような高級品からコーヒーやチョコレートのような身近なものまで――に労働力を投入していて国民の日用品を作っていないからという主張を見たことがあります。経済や社会機構が苦手な私にはなぜそれが貧乏につながるのかわかりませんが、そういえば先進国は農業をちゃんとした上で+αでいろんな物を作ってますね。まあコートジボワールではカカオの取り合いがあるというニュースもあるので外貨獲得が切実なのでしょう。
そういうわけでコートジボワールのカカオ農園で働いているような人達は安いお給料で輸入品の小麦粉やお米を買って食べているというのが普通の光景らしいです。じゃあカカオを作るのを止めて麦やお米を作ればいいという単純な問題ではなく、長年こういう状態が続いたため、いつも食べているモノの食材と実際地元でできる作物はちがう地域があったりするそうです。
ところで、減反政策を行うほどお米が余っている日本で不作だったり何かあるとお米を買いに走る人が出てくるのは、身内が減反政策のせいでお米が作れないと愚痴るのを聞いた身として複雑な心境ですが、気持ちがわからないではありません。私は今の農業政策には不満がありますが、日本の自給率問題についてはそこまで危機感を持っていません。だって食べるモノがなくなれば数十年前のように公園でも校庭でも野球場でもお芋や南瓜を育てることになるでしょう。今は廃棄されている大根や人参の菜っ葉もおからも全て食べるようになるでしょう。(大豆も輸入が多いけど国産にこだわっている老舗のお豆腐屋さんでおからを全て廃棄しているお店を知っています。)たとえ少量でも作っている農家があればノウハウ自体は残っているからアフリカと違って応用できます。輸入できなくなった時のことを今現在の収穫量だけで議論する意味がわかりません。はっきりいってシュミレーションになってません。
ところでヨーロッパでは86年*1はワインの当たり年で評判がいいです。日本ですらちょっとネット検索すると86年のワインをおすすめしているところが見つかります。まあ20年以上前のワインの中の放射能なんて影響ないほど少ないかもしれませんが。フランスは放射能に神経質になっているようだけど、サルコジさんもたっぷり今までに当たり年のワインを飲んでいるから今さら東京に数時間滞在なんてどうってことないと考えたのかも。ワイン文化圏のガン発生率を調査したデータないですかね。
国産とかいつも食べているモノなんてどこでもこんなものです。海外の報道によると日本中汚染区域だそうです。私はとりあえず今まで通りご飯を噛みしめて食べていきます。

*1:チェルノブイリの事故は86年の4月です。