国の定義
- 作者: 佐々木泉
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: コミック
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「占いで戦の是非を決めるとは馬鹿げたことですよ。」「奴らも呉の兵士になるのならバカげたことと一蹴できんよ。多種多様な文化と考え方がある。それなのに一体何がこの中国をひとつにしていたのだろう。漢の時代に生まれて育てば誰もが中国は一つと考えるようになる。」
全体的にはまあまあでしたが、このセリフを読んで感じ入ったのです。テンペストを見ていて終わったら書こうかなと思っていたのですけど、薪問題とかいろいろあったので。
どうして日本は一つなのでしょうね。西ヨーロッパなんかを見ているとつくづく不思議です。ドイツとイタリアは最近統一された国で長い間、「ドイツ人」、「イタリア人」という意識はあってもいくつもの国に分かれて戦争していました。今でも地方意識がけっこう強いですね。民族的に一緒というのは一つの国でいる理由には必ずしもなりません。地理的には、イベリア半島の(少なくとも)バスク・ガリシア・カスティーリャ・カタルーニャ・ポルトガルは自分たちが一つだとは絶対に思わないでしょうし、同じブリテン島でもウェールズ・スコットランド・イングランドは絶対に一つの国になろうとしません。第一次世界大戦後ルール地方がフランスになったのをドイツ人は不当と思ったでしょうが、フランス人はもともとフランスのものを取り返しただけで罪の意識なんてないでしょう。
今県民性がはやっていますが、「同じ日本人」でもこんなに違うのがウケているわけで、世界には地域性の違いが冗談ですまない国がたくさんあります。
どうしてこんなに多種多様な文化と考え方とがある川や山や海が交通の妨げになる地域が一つだと思っているのでしょう。少なくとも沖縄の人と他の地域の人は違うって思わないと失礼な気がします。