立太できない方々

君主制で生じる問題の一つに皇太子が空席になることがあります。
男子優先(≠限定)の場合の例。イギリスでエリザベス女王は次期女王として遇されていましたが、正式な皇太女ではありませんでした。一つ前のヴィクトリアの時なんて時代や続柄の制約で即位するまで表舞台で活躍することはありませんでした。
男子限定の場合でも、今のところ日本では代替わりすると皇太子は空席になります。秋篠宮さんが皇太子になることはありません。
なぜ立太できないかというと、当人より継承権が上になる人物が誕生する可能性があるからです。ぶっちゃけて言ってしまえば、男性だと生物学的にいくつになっても子どもをつくれるので、現役君主が妻と死別or離別した後、再婚してそちらに男の子が生まれる可能性はご本人が亡くなるまであるからです。単なる継承権第一位の人物ならいいですが、一度皇太子になってしまうと簡単に廃位できません。一条天皇の時代なんかだと天皇が即位すると皇太子も必ず立てて空白期がないようにしていましたので、一条天皇に男子が生まれても一条天皇の皇太子にはなれず、三条天皇の皇太子と、ワンクッションあります。最近ではモナコでアルベール公が長らく独身だったので、法改正してまで、姉やその子が跡を継げるようにして、甥のアンドレさんが将来のモナコ公と目されていましたが、シャルレーヌさんとの結婚で次のモナコ公がよめなくなってしまいました。
今流行りの長子相続でも単純さがメリットと言われていますが、現役君主に子どもがいない時に同じ問題が生じます。
まあ、女性の場合だと男性と違い妊娠可能な年齢に上限がありますが、じゃあ立太となると微妙なものがあります。そりゃあ70歳近くで即位とかだったらいいですよ。でも50歳くらいで即位して、子どもがいないのに立太はしたらもう子どもはできませんってプライベートかつデリケートなことを世界に公表しちゃうってことじゃないですか。私はそれはいかがなものかと思います。ましてやもっと若くして即位したら立太のタイミングは更に難しいですよね。