征服王ジャウメ一世勲功録

征服王ジャウメ一世勲功録―レコンキスタ軍記を読む

征服王ジャウメ一世勲功録―レコンキスタ軍記を読む

お正月のおとも。
スペインのカタルーニャでは有名らしい王様の自伝です。ジャウメ一世は1208年生まれなので、日本では鎌倉初期ですね。ちなみに承久の乱が1221年です。
第一印象はむっちゃ契約社会なのに驚きます。しかも話し合いが多いです。征服王なので、戦争に勝つ話が多いのですが、最後は話し合いでお互いに妥協できる条件で手をうちそれをちゃんと文書にして遺す、これで終戦。しかも負ける側が降服する条件に財産をかなりもらったりしてます。
後、自己正当化にまみれた内容だと予想していたのですが、案外あっさりしてました。淡々とし過ぎてて読みづらかったです。人名や地名はよくわかりませんでした。
で、家臣との軋轢とか、事前の根回しとか、結構面白そうなネタもあるのにサラッと通りすぎています。すごくドラマになると思うんですが。家庭事情もほとんど書いていないけどもう面白そうでたまりません。前半で表記を割いているのが、食料と戦費と物資。これは珍しい部分です。フィクションでもノンフィクションでも普通こういう部分は飛ばしますよね。読者の反応を考えていないからできることでしょう。何しろおかげで単調で厭きてきます。でもリアルに戦争強かったんだと納得しました。今は亡き皇軍のエリートたちに是非読んで頂きたいものです。ご飯とお金の心配ができない人は戦争してはいけませんよ。絶対負けますからね。