私的歴史解釈verスカウト理由

紫式部が彰子の女房にスカウトされた理由って源氏物語が評判よかったからとよく言われますが、私的には+αではあったかも知れないけど、一番の理由は漢文能力を買われたからじゃないかなあと思います。
紫式部が彰子の女房になったのは1005年頃と言われています。この10年前、996年に受領の人事で大事件が起こっています。紫式部の父藤原為時が淡路守に任命されたのですが、あまりいいポジションではなかったので落胆の漢詩を出したら、一条天皇漢詩の上手さに感動して、越前守というおいしいポジションに変更されたのです。もちろん、一度発表された人事が覆るなんて異例のことでした。まあ、漢詩に感動したというのは建前で、それなりの理由があったのですが、どちらにしても漢文が見込まれてのことでした。この時越前守に決まっていた人物は、ちゃんとフォローするから、と言われたもののショックで病気になり、遂には死んでしまいます。
当時10才にもなっていなかった彰子はともかく、周りの大人たち――特に受領階級出身の女房たち――はこの事件を忘れるはずがないでしょう。ちなみに996年にはすでに道長がトップでした。
紫式部日記をみても謙遜しつついかに漢文ができるかってかなりアピールしてありますよね。