芸術は成り上がりだ

浮世絵師の写楽の謎をテレビで見ました。
浮世絵が日本にあまり残ってなくて、外国にたくさん残っているのに批判的な意見がありますが、そもそも浮世絵って大衆向けの娯楽だから当時の日本人には残す価値がなかったのではないでしょうか。現代は比較的何でも残るような社会ですが、何十年か前のグリコのおまけなんて皆捨てちゃってて一部のコレクターが希少価値が高いからとものすごい値段で売買してたりしますが、私なんかは変な人たちと思ってみています。江戸時代の浮世絵はグリコのおまけみたいな扱いだったのでは?それが外国では芸術だったというのは誇らしいことではないのでしょうか。
これは逆パターンもあって、日本でわびさびともてはやされた高価な茶碗が東南アジアの大衆向けに大量生産されていた安いものだったということもありました。
写楽の謎も同じで、今の写楽の価値と当時の写楽の価値は違うという大前提をどうして無視するんだろうと思います。
写楽が10ヶ月ほどで姿を消した理由は色々言われてますがそれにプラスして

  1. 売れないからリストラされた
  2. 他にもっといい仕事が見つかった
  3. もともと短期アルバイトのつもりだった
  4. 浮世絵オタクが家族に内緒で描いていたけどばれそうになった

とかはダメですかね?
そういえば、黒柳徹子さんの著作の解説で日本の評論家の評価は低かったけどアメリカで受賞したとかで、日本の評論家を貶していて反射的にそれはおかしいと思いました。その著作は私も面白かったけど、評論家の基準ではいい作品ではなかっただけです。評論家を批判するなら、せめてたくさん売れたとか日本人読者の評判がいいとかしか理由にすべきではないと思いました。アメリカ人はアメリカ人、日本人は日本人で感覚が違うのでアメリカ人に受けても日本人には受けないものもあるし、日本人に受けてもアメリカ人には受けないものもあります。
私は歴史上のエピソードに興味を持つとこれはこの時代の人々はどう受け取ったのだろう?この時代ではいいこと・悪いことどっちだったのだろう?って考えたり調べたりしますがひょっとしたら少数派なのでしょうか。