清潔なお姉さん好きですか

昔の日本人では女性は髪を伸ばしていました。ところが洗髪は今ほどしていませんでした。考えてみれば当たり前で、風邪は万病のもとだった時代に、ドライヤーもないのに長い髪を頻繁に洗うなんてある意味自殺行為だったでしょう。
もっとも昔は洗髪の代わりにフケ取りをしていたそうです。フケ取りというのは櫛で頭皮を掻いてフケを浮かし、梳きとる方法です。今でも老舗の櫛屋さんにフケ取り用の梳櫛を置いていることがあります。四角っぽい形でものすごい歯が細かい櫛です。
ちなみに戦争中に結婚した世代の私の身内は、姑のフケ取りをしていたと話してくれたことがあります。都市の余裕のある家の女性は美容室でフケ取りをしていたようです。まあ、美容師でも一日中フケ取りをしていると吐き気がするほどだったらしいので、できればしたくないことだったのでしょう。気持ちはわかります。
フケ取りがいつぐらいから始まった風習かはわかりませんが、少なくとも江戸時代に使われた梳櫛は残っています。